Blenheim Point

主に英国(リーズ大学)と米国(イリノイ大学)の留学について記載しています。

【生活9】オンラインバンキングが凍結された話

以前の記事でSantander銀行をベタ褒めし、実際イギリスにいる間はとても使い勝手の良い銀行だったのですが、このたびオンラインバンキングが凍結するという憂き目にあいました汗

 

日本に帰国後、Santanderの口座に残したポンドを日本の口座に1000ポンド分送金しようとしたのですが、Your access is blocked for security reasonsと表示されてしまい、送金はおろか、オンラインバンキングの画面にログインすることもできません。 

 

一瞬血の気が引きましたが、いやいやなんとかなるはずだとSkypeから国際電話をかけました。ところがなかなかつながらない。ようやくつながったと思ったら今度はめちゃめちゃイギリス訛りのオペレーターに早口で色々まくしたてられる。早くも先行きに不安が。

 

なんとか聴き取ったところによると、どうやらSecurity Questionということで3つ質問がされ、その質問に完答できないとロックはとけませんという話らしい。よっしゃどんとこい。

 

1問目「あなたの登録住所は?」→即答。

 

2問目「最後にDebitカードを使って買った品物と金額」→運よくAmazon UKで本を買ったばかりだったのでなんとか回答。ここから怪しくなる雲行き(これ人によっては分からない人いると思う。) 

 

3問目「最後に入金があった相手とその金額」

 

……さっぱり分からない。というのもフラットメイトやクラスメイトと細かな金額のやり取り(譲り受けたチケット代や、スーパーで代わりに買ってあげたニンジン代など)をしているため、私自身もだれがいつ何円入金したなんて把握していなかったのです。…という話を拙い英語で一生懸命説明したのですが許してくれず(まあそりゃそうですよね)、あっさりFailという認定に。

 

「残念だがFailしてしまった以上、私には何もできない。イギリスの支店にきてもらうしかない。」

 

なんと…。

 

いろいろググったりツイッターで検索してみたところ、同じ被害がちらほら表れている模様。最近SantanderのSecurityシステムが厳しくなったらしく、不審な取引の凍結率が上がったみたいです。

 

後でわかったことですが、私の場合は①海外(日本)からのアクセス、②海外口座への送金、③1万ポンドという金額ボリュームあたりが引っ掛かった理由みたいでした。要はマネロンなんじゃねって疑われたわけですね。

 

それはさておき、被害報告(?)の中には「ドイツから凍結解除のためにイギリスの支店までいった」なんて悲痛な声も見当たりました。

 

ある意味でめちゃめちゃ安全に管理されているので、遠い将来またイギリスを訪れるまで塩漬けにしておくという選択肢もなくはなかったのですが、ポンドはただでさえ乱高下が激しい通貨な上に、コロナに加えて年末にはBrexitのTransition Periodの終了が控えており、次イギリスを訪れられるときには紙くず……とは言わないまでも相当価値が下がっている可能性もあります。できればさっさと円に換えたい。

 

ウンウン唸って対策を考えたところ、Online Bankingは凍結されてても、Debitカードは生きてるんじゃないかということに思い至りました。TransferwiseはDebit決済ができるので、これを使えば送金できるのではないかと。

 

で、実際にやってみたところ読みはあたり、1日500ポンドまでであればDebit決済でいけることが判明。とりあえずの解決策(?)として1日1回500ポンド、ちまちまポンドをDebit決済で吸い上げていくことに。

 

ところが。

 

毎日500ポンドずつ出金されていくことが不審に思われたのか作戦10日目にしてDebitカードも凍結。まあそりゃそうですよね、Debitとめないと不正送金とめられないもんという妙な納得感も伴いつつ、いよいよもって窮地に立たされました。

 

意を決して今度は前回Security Questionにfailしたオンラインバンキング窓口ではなく、Debitカードの窓口に電話。しれっと「なんかカードが使えないみたい」と連絡。

 

電話に出てくれた良い声のお兄さん、またしてもSequrity Quesitonを行うとのこと。ですよねー。

 

しかし今度は幸運なことに前回と質問が違いました。

 

「誕生日は?」「最後のDebitカード決済は?」「以前の登録住所は?」の3本立て。3つめの質問がひっかけ(?)で、私は最初の登録住所(寮の住所)から変更してないんですよね。戸惑いつつその旨伝えると、「Correct」とのこと。晴れてDebitの凍結は解除してくれました。

 

これで1日500ポンド吸い上げ作戦は再開できるなー、ワンチャンオンラインバンキングも解除してくれないかなー担当違うから無理かなーと思ったところ、

 

「ところできみオンラインバンクもブロックされてるみたいだけどこっちも解除しとく?」

 

という神の一言。

 

案の定担当が違うらしく、「いま俺の同僚に代わるね」と別のオペレーターを呼び出してくれましたが、またSecurity Question審査をされることもなく、あっさりと解除。

 

こうして晴れてオンラインバンキングもDebitも凍結を解除してもらえました。とはいえ1度に大量の送金を行うとまたブロックされるおそれがあるため、結局いまも1日少しずつ送金しているわけですが、オンラインバンキングは送金以外の機能(住所変更やチャットでの問い合わせなど)も集約されているため、これがまた使えるようになった安心感はケタ違いです。

 

本来であれば出国時に口座を解約すればよかったのですが(実際駐在やワーホリで口座作った人の多くはそうしているらしい)、こと今回についてはコロナ関係で大学側から寮費やジム利用料の払戻しがあるため口座を残しておく必要があったことに加え、そもそもロックダウン中は銀行も緊急案件以外の受付を停止していたためどっちにしろ口座解約は無理でした。

 

とはいえお金を残したまま帰国してしまうとこうやって「支店にこないとダメです」という恐怖の宣告により詰みが発生する可能性があるわけで、(たまたま今回はなんとかなりましたが)本当に危ういところでした。DebitのほうもFailしていたらどうなっていたことやら。

 

というわけで今回学んだ点

 

・多少レートがアレでも帰国前に口座解約はしておくべき(解約しないまでもせめて日本にお金は避難させておく)

・日本からアクセスして大量の海外送金を1度にかけると凍結される

・Security Questionに備えて最近の決済履歴、入金履歴は予め確認しておくべき(でもそんなことしないよね、普通)

 

色々肝は冷やしましたが、LloydsでもBarclaysでもHSBCでも海外から送金依頼かければ同様のことは起こり得たわけですし、在英中はSantanderの利便性は文句なしでしたので、まだかろうじでおすすめ銀行No1です。かろうじで。

 

<2022年11月12日追記>

この事件から2年間、世界的な金融引き締めの中で超円安が進み、ポンド円も暴落、一時は1ポンド170円までいきました。あのまま凍結されてSantanderに塩漬けにしていたら今ごろすごく儲かっていたのでは…?と思うとちょっと残念な気もします笑