Blenheim Point

主に英国(リーズ大学)と米国(イリノイ大学)の留学について記載しています。

米国中間選挙

今週11月8日は米国の中間選挙の投票日でした。最終的な結果はまだ出ていませんが、Red Wave(共和党圧勝)の下馬評を覆して民主党が善戦し、上院では今も拮抗している状態です。

平日ということもあってイリノイ大学は休校、授業は全てキャンセルされました。「さすが米国、選挙に対する意識が高い…!」と感動したのですが、実はこれはイレギュラーな対応で、今回が初めてとのことです。

イリノイ州の中でもイリノイ大学やその周辺地域は民主党支持層であるところ、大学の学生の投票率が上がれば基本的には民主党有利になることを見越して、red waveに危機感を持った大学が休校を決めた…なんて話も耳にしましたが、実際のところはわかりません。

そんな中間選挙ですが、上院の現時点での選挙結果(勝利政党の地域性)を面白く感じました。

(出典:googleのデータ←「中間選挙」で検索すると冒頭に表示されるやつ)

米国は何かと西海岸(リベラル)v東海岸(保守)で対比されがちですが、政治的にはむしろ両海岸v中西部+南部で分断されていることがよくわかります。

目を引くのがコロラド州(CO)とイリノイ州(IL)で、内陸部にありながら飛び石的にBlue Stateになっています。特にイリノイ州はまわりが全て真っ赤に囲まれながら、唯一の民主党が勝利しています。

大まかな傾向として大都市圏は民主党支持に傾きやすいという話もあるので、ニューヨーク、ロザンゼルスに次ぐ大都市圏であるシカゴを擁するが故の結果でしょうか。ただコロラドデンバーがあるとはいえそこまで大きな経済圏が発達しているわけではないので、経済規模以外の要因もあるのかもしれません。

以前、何かの本で米国社会は肥満率で可視化されるという話を読んだことがあったのでふと気になって調べたところ、少し古いデータですが2011年のものが見つかりました。

 

skinnychef.com

調べてみて自分でもびっくりしたのですが、今回の選挙結果の分布とぴたりと一致しています。両海岸v中西部+南部という構図もさることながら、コロラドイリノイが飛び地的に周辺の州と異なる傾向を示すところまで同じです。

もちろん、民主党支持者になると急にジム通いをはじめるとか、ケーキをたくさん食べると共和党を応援したくなる、なんてことはないと思うので、おそらく別の原因があるのでしょう。

治安との関連性も調べてみましたが、こちらはあまり傾向の類似性はありませんでした。

www.santarosa-lawyer.com



ならば経済指標はどうだと州内の1人あたり名目GDPとも対比してみましたが、こちらも「うーん」という感じです。

en.wikipedia.org

 

 

犯罪率・1人あたりGDPともになんとなーく「両海岸v中西部・南部」という構図の枠内には収まる気しますが、コロラドイリノイをはじめ、上院選挙結果とは違う傾向を見せている州もちらほらあり、肥満率ほどの近似性はない気がします。

そもそも違う年のデータを比べているのでその時点からガバガバな分析ですが、米国は政治をはじめ、あらゆる側面で地域性が強い(州ごとに全く異なる)というなんとなく体感で思っていたことがこうして可視化されると、背後にある因子が何なのかは気になるところです。