Blenheim Point

主に英国(リーズ大学)と米国(イリノイ大学)の留学について記載しています。

カレッジ・スポーツ

米国はカレッジスポーツが盛ん(らしい)ということで、アメフトの試合を観てきました。イリノイ大学はキャンパス内にメモリアル・スタジアムという立派な競技場を持っており、アメフトの試合もそこで行われます。かなり端っこの方にあるものの、試合の日はキャンパスの至るところで全身オレンジ色の集団が一方向に向かって移動しているので、てくてくついて行って無事に到着。

 

私のアメフトの知識は中学生の頃に読んだ「アイシールド21」という漫画で完結(?)してしまっており、細かい戦術や技術的なことは全く分からないのですが、タッチダウンや良い感じのパス・ランプレーを決めるたびに回りのお客さんとワイワイ騒ぐだけでもめちゃめちゃ楽しかったです(試合も圧勝でした)。試合前やプレーの合間にはブラスバンドやチアのパフォーマンスも繰り広げられ、神宮の六大学野球を思い出しました。やっぱり大学スポーツはいいですねぇ。


www.youtube.com

 


www.youtube.com

チケットのお値段は安い座席で25ドル、普通の席(写真を撮った位置)だと50ドル~75ドルほどで、日本の大学スポーツの感覚からすると結構強気な価格設定です。普通じゃない席(写真の正面に写っている建物内の席とか)だと200ドルほどする場所もあり、しかもそれが早々に売り切れているので驚きです。それくらいカレッジスポーツは米国の大学において支持されているということなのでしょう。特にアメフトは北米4大プロスポーツ(アメフト、野球、バスケ、アイスホッケー)の中でも人気・収益ともにトップですし、アーバナ市・シャンペーン市には上記の4大スポーツのプロチームがないため、必然的にカレッジ・スポーツの人気は高まる構造にあるのかもしれません。

 

 

アメリカのカレッジ・スポーツは全米体育協会(NCAA)という組織が統括しており、各競技ごとにカンファレンスというリーグが存在します。日本の大学野球でいうところの東京六大学野球や、東都リーグのようなものに相当するようです。

面白いのはこれらのリーグは垂直・並行どちらにも広がりがあり、一部リーグ(Division1)・二部リーグ(Division2)といった垂直的な階層を持ちつつも、各階層の中に同格の複数のリーグが存在することです。

アメフトの場合、Division1には5つの有力リーグが存在し、そのうちの1つがイリノイ大学も参加しているBig Ten Conferenceというリーグになります。これくらいの有力リーグになると選手への奨学金もかなり手厚いようで、授業料や生活費がほぼカバーされる場合もあるようです。

日本の大学スポーツでも大学の宣伝効果を狙って特待生枠が用意されていることはたまにありますが、こちらのカレッジ・スポーツはそれ単体でも十分な収益性を見込めるので有望な選手に対する厚遇も可能になるということでしょう。*1

とついついお金の話になってしまいましたが、学生さんにちゃんと還元されているのは素晴らしいことだと思いますし*2、特に当地のような田舎町だと地域振興にも大きな貢献をしているので(スタジアムにはご高齢の方やご家族連れの方もたくさんきていました)、大学・地域の重要なアセットとしてのカレッジスポーツを垣間見ることができて貴重な経験になりました。

アメフトに加え、これからはバスケとアイスホッケーのシーズンも始まるようなので、カレッジスポーツを堪能したいと思います(とりあえず次のアメフトのホームゲームチケットも買ってしまいました)。

*1:今日は6万人収容できるスタジアムがざっくり6割~7割ほど埋まっていました。上記のとおり平均的な座席の値段は50ドル~75ドルなので、チケット収入だけでも1試合で2億円以上の売上を叩き出す計算になります。スタジアム内ではビールなどの飲食物の販売も(ちゃんとスタジアム価格で)行われており、チケット代に加えてこうした物販収入や広告収入もあわせるとなかなかのドル箱イベントです。

*2:プロスポーツにも匹敵すると言われている収益性と比較すると、選手や地域に対する還元が少なすぎるという批判はあるようです。